UFOの観測と報告について

 IFO(確認飛行物体・現象)をよく観察すること

                      UFO研究家 天宮清

                      イラスト わたなべやすお That's ゆーのす
「あれは飛行機だね」空に見えるものを特定できるのは、私たちが『飛行機』という物を知っているからです。このように、見てすぐ何が飛んでいると特定できる存在を『IFO』と呼んでいます。飛行機、ヘリコプターにバルーン、最近では高性能のドローンや、ラジコン飛行機に至るまで様々な人工物が空に見られます。それらに興味を待って観察をすることは大切な学習です。太陽光の当たる角度特に夕刻時等は飛行機も発光体の様に見えます。形の整った雲や光った様に見える雲も注意が
必要です。夜間に発光体を見た場合(空が晴れていたなら)その近くに見えた星や星座によって空の位置を把握できます。私のUFO仲間でポーランドのRobert.K.Lesniakiewiczさんは星空の中に見えた不審光体を報告する時、必ず星座や恒星の図面の中にその位置と動きを書き込みます。こうなればもうUFO専門家です。やはり季節によって午後8時前後に見える星座はいくつか知っておく必要があるでしょう。夏の白鳥座、冬のオリオン座、カシオペア座や北斗七星はすぐにわかります。また金星や木星、月の満ち欠けといったことにも注意を向けておきたいものです。そして、見慣れたものとは違う奇妙なものを見た時は必ずメモや記録を残すようにしたいものです。「UFOらしいものを見たことがある」という人に話を聞くと、その時期については大てい「何年前くらい」とか「何年の夏時分」という言い方をします。何年の何月何日と日付まで記憶している方は滅多にいません。これから意識的にUFOを見ようと思う方は、ぜひとも記録をつけることをお勧めします。
 
正しい視野測定の知識を持ちましょう! 
外国風のUFO番組を想像してみて下さい。UFO調査員と目撃者のこんなやりとりがあったとします。
調査員「あなたが見た、その物体のサイズはどのくらいありましたか?」
目撃者「そうですね‥見たところ直径30フィートはあったと思います」
調査員は報告書に「直径約30フィート」と書くでしょう。しかし、これは間違いなのです。物体が着陸して近くに家とか木があるのでなく、背景に何も無い空に見えていた場合、肉眼で大きさを推定するのは困難なのです。目撃者が空中に飛び上がって巻尺で測った訳ではありません。「見た感じの大きさ」ですからほとんど空想に近い数値なのです。「高度何百メートルを直径何メートルの物体が飛行した」という言い方も、もちろんデタラメに近い数値です。こういう根拠のない数値を簡単に使用してきたのが昔のUFO研究でした。
 
空を見る、測る、知的訓練のすすめ

                                        イラスト 天宮ユキ

また「私はUFOを見たよ。だいたい長さが5センチくらいに見えたよ」というのも主観的な表現です。その「5センチ」は目からどのくらい離して見た大きさなのかということになるからです。

何かを見たら、空に向かって指を突き出そう!
私はUFOを目撃した人たちが「5センチに見えた」とか「推定30メートルの物体」と報告していた1960年代に、きちんと科学的な計測方法を使って目撃報告を書くことを学びました。それを教えてくれたのは、京都の建築士で天体観測に詳しい、三上晧造さんという方です。それはまだ私が10代(18~19歳)の頃でした。
※高文社 1960年『それでも円盤は飛ぶ!』172頁に三上さんの説が紹介されています。
この方は CBA『空飛ぶ円盤ダイジェスト』の初代編集長で、1963年9~10月号の同誌に『空の観察』というUFO観測の基礎となる講座を連載しました。その1回目に「仰角」の測定と、手のひらによる角度の測り方を述べています。これらは頭の中で円盤の大きさを空想するのではなく、実地に空を測る方法です。
■腕を伸ばした手のひらで空を測る
                                       イラスト はねくら喜志
基本となるのは、腕をいっぱいに伸ばした時の、4本の指と、親指の付け根を合わせた手のひらの幅です。腕をいっぱいに伸ばして指を突き出すポーズは1966年『LOOK』誌65頁「Official U.S.Air Force UFO form continued」
米空軍のUFO報告様式にも見られます。この米軍による測定ポーズがOUC(大阪UFOサークル)会誌『UFO仲間』の表紙に登場する「指差し少女」の出発点に位置するのです。三上先生は『空の観察⑵』の中で、「腕を伸ばして5円玉を手にした大きさ」を「5円玉の直径…2.5°(度)」「穴の直径…35′(分)(月より大)」としています。
                                         イラスト 天宮ユキ
私はこれを基にして、親指にはめる目盛りを作りました。それと簡単に仰角を測る器具を沢山作って、1994年に北京で開催されたUFO会議で中国のUFO愛好家たちに配布しました。
腕を伸ばした時の手のひらの幅は大体10度です。手のひらを使うと視野とか経路とか、空の長さを測る目安になります。目をぼんやりさせて手のひらを左から右へ動かすと5つ分くらいになります。つまり人間の視野が50度くらいあることが判ります。このようにして、腕を伸ばした手の平や指先の幅で空中物体の大きさを測ることを「見かけの大きさを測る」と言います。


私はいつも、背負って歩くリュックの中に「仰角測定器」と「視覚測定器」を入れています。それは正確に測定する必要がある時に使用します。
まず基本となったのは、三上先生が教えてくれた「5円玉の穴は月より大きい」ということです。歌では「盆のような月」と言いますが、それは詩人の表現です。試しに5円玉を手に、手をいっぱいに伸ばして満月を見て下さい。ほら、満月は5円玉の穴より小さいことが判ります。5円玉の穴は直径5mmです。それで大まかに5mmを30’(1度の半分)として厚手のビニールに目盛りを書いて、その目盛りを通して大体(あくまで見かけ上)の大きさを想定するものです。しかし、「月の半分」とか「月と同じ大きさ」とか「月より少し大きい」…これでも充分科学的な見かけの大きさの表現になります。つまりですね「5センチの大きさ」とか「目測50mの物体」という表現より、ずっと現実に近いのです。
 
親指を立ててもOK!    イラスト  はねくら喜志

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